DOUGA BRANDING SENKA

第1回|動画とは聴かせるもの、読ませるもの。

2020.11.10

一目瞭然の分かりやすい動画は、このコロナ禍でも絶好調。
ところで皆さん、動画とは「見せる」だけのものと思っていませんか?
もちろん「見せる」ことは重要ですが、それ以上に、
実は「聴かせる」「読ませる」意識が大切です。
このあまり知られていない映像制作者の「秘伝」をご紹介。

2回にわたってお届けします。

1. 動画とは聴かせるもの

“詳しい人” の出演は危険?

「今度、オフィスビルの区分販売の動画作らないと」
「あー区分販売なら●●部長がめっちゃ詳しいよ」
「じゃあ●●部長に出演してもらいましょう」
こんな感じで「雑に」内容と出演者が決まってしまうことありませんか?

上記の例だと、私はとても危ない気がします。
まず第一点、「●●部長が詳しい」と言うけれども、その方は「どう」詳しいのでしょう?
テーマを体系的に把握していて、客観的に分かりやすいお話ができる人なのでしょうか?
それとも自己流のセールストークで、分からない人には分からない話し方をする人なのか?
知識や経験があることと、それを他者に分かりやすく伝達できる能力は別物です。

そして客観的に分かりやすいお話ができる方だとしても、
話し方、滑舌(かつぜつ)、イントネーションはどうでしょう?
あまり意識されませんけれども、動画とは「耳で聴く」媒体です。
セリフが聞き取れなければ話になりません。
「●●部長」さんは、喋りについて専門的な訓練を受けたことがあるのでしょうか?
訓練を受けていない話し手の発言は、聞き取りにくいことが多いです。
聞き取りにくい話を延々と聞かされるのは苦痛でしかありません。
これ、視聴中断される大きな原因のひとつなんですよね。

敏腕セールスマンであっても

出演者がいくらセールストークに長けた敏腕営業マンだったとしても、
その方がいきなり専門用語を乱発する様子を映像に収めて、
分かりやすいものになるはずはありません。

フェイスツーフェイスで話をすることと、
映像で解説することはまったく別物だからです。
対面なら「???」という表情も伝わりますし、
それに気がつけば言い換えや補強説明もできます。

しかし収録済みの映像は一方通行です。
途中で軌道修正したり、理解のためにより努力することができません。
つまりどんな方がどんな話をなさるにしても、
事前にしっかりした内容の組み立てと精査が必要ということです。
事前に話の内容も精査せず、
「詳しい人を呼んできて適当に喋らせる」なんて論外なんですよ。

ところが!
このような論外な方法、つまり「素人の喋り」でも、
止むを得ず出演をお願いしないといけない、
ということだってあるかもしれません。
いやむしろ、予算の都合や個別の事情で、
動画への素人出演は珍しいことではありません。

素人さんの聞き取りにくい喋り、なんとかリカバーできないか?
ナント、実はあるんです!苦肉の策ですけどね。
それは、次の「2. 動画とは読ませるもの」で解決します。


2. 動画とは読ませるもの

欠点克服の最強兵器

動画には、映像素材の他にいくつもの要素が入り込みます。
テロップ(字幕)はその代表的なもの。
そして実は今回書きました、「素人の喋り」をカバーする上でも
大いに役に立つ武器なのです。

ナント!あの「論外」の出演者の欠点を
テロップがリカバーしてくれるのです。
弱点克服に大いに活かせるのです。
“テロップマジック”とでも申しましょうか?

文字で読んだら一目瞭然なり

そのテロップのマジックを紐解いてみましょう。

そもそも日本語、日本の漢字は表意文字です。
そして別稿でも書きましたけど、分かりにくい固有名詞、
たとえば「しんようしゅうしゅく」を発声されるより
文字で「信用収縮」と示された方がはるかに理解しやすい。

つまり少なくとも話の中のキーワードは
テロップでどーんと画面中に表示してあげる。
これだけで動画がどれだけ分かりやすくなることか!
さらに理想的なのは喋りに合わせて、
セリフを丁寧にリズム良く、テロップで入れてあげることです。

視聴者は動画の喋りを耳で聴いて、
文字を目で見て、両方で認識することになります。
人間は聴覚よりも視覚が優先されるので、
テロップがしっかり入っていれば、喋りが多少拙くても、
発音が悪くても、セリフを噛んでも大丈夫。
「素人の喋り」はテロップでリカバーできるのです。

また動画はどんな環境で視聴されるか分かりません。
実は音を消して画面だけ見る人も多いですよね。
手っ取り早く早送りで見たいという人もいます。
喋りを追いかけて丁寧にテロップが入っている動画なら
音を消して、早送りで見ても流れが掴めます。

ということで、動画とは「読ませる」ものである!
テロップは大いに入れるべし!
というのが、映像のプロの結論です。

動画づくりの計画が社内で上がったら、ぜひ参考にしてください。
ではテロップはどうやって入れるのか?
次回のBlogに続きます。

今回はここまで!

joe