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第2回|プロが教える 『テロップの正しい入れ方』講座

2020.12.01

前回に続きテロップについて語っていきます。
前回で“テロップマジック”とでも言うべき、
テロップの大きな利点をお伝えしましたが、
今回はそのテロップの入れ方をもう少し詳しく解説します。
ちょっと上からですが「テロップ入れ方講座」としました。

企業で動画づくりの担当になった方、
これから映像業界を目指す方も参考になること請け合い!

 
 

動画のテロップは、動画を編集するときに、
映像編集アプリのテロップ機能を使って入れます。
その入れ方にはちょっとしたコツがあります。

人間の普通の喋りにはだいたいムダがあります。
特に日本語の喋り(口語)はムダが多いです。
喋りを丸ごとそのまま書き出せば、
「えっとぉー。そのぉー。つまり利益が大きいというか」みたいになります。
こんなのそのまま文字にして入れる必要はありません。
だいいち読みにくいですよね?

1. 秘伝その1|テロップは整理して入れるべし!

音声と字幕は100%同じでなくても良いのです。
「えっとぉー。そのぉー。」なんか不要です。
末尾の「というか」も不要です。主張が曖昧になるだけです。
そのように整理して「つまり利益が大きい」、または「利益が大きい」だけを入れると分かりやすくなります。
できるだけ平易な文にして「、(句点)」「。(読点)」は使いません。
「句点」の代わりに半角スペースなどをいれて区切ります。
これがテロップを入れるときの大原則です。
また読みにくい専門用語などは、ふりがなを入れると親切です。

2. 秘伝その2|入れるタイミングが大切

テロップを入れるタイミングは、
「画面の人物の発声から一瞬遅れて入れる」が基本です。
画面に映っている人物が何か喋りだす・・・
視聴者がそれを「おお、何か喋っているな」と認識した瞬間、
画面下にパッとテロップが出る。
このタイミングだと内容がスッと入ります。
「私の関心」に即座に答えてくれる感じ。
「私の気持ちを分かってくれている」感じが吸収を促します。
テロップは人物が話し出す前に入れてはいけません。
セリフなのか別の説明文なのか混乱します。

3. 秘伝その3|「いつまで」画面に出しておくのか?

テロップは「いつまで」画面に出しておくのか?
その人物が喋っている間は、喋り内容のテロップを出しておくのが基本。
喋り音声とテロップの文字をしっかりと関連づけるためです。
読むのに時間がかかりそうならテロップなら、
人物が話し終えた後も、視聴者が文字を読み終えるまで出しておきます。
映画・テレビでは「日本語は1秒間に4文字以内、英字は1秒間に12文字以内」が基準とされています。
たとえば「特別な許可証をもらいます」と入れるなら、
12文字ですから、最低3秒は画面に出しておくわけです。

長い説明をするとき、テロップも長い説明文を入れて、
動画の下半分を文字だらけにする、そういう例もよく見られます。

4. 秘伝その4|多すぎるテロップは誰も読まない

テロップの文字数には目安があります。
日本語・1行あたり最大16文字前後、英語・1行あたり最大40文字前後、
どちらも行数は2行以内にしましょう。
つまり日本語なら、最大16文字×2行で32文字。
これが一度に出すテロップの「読みやすい」限界です。
それ以上に長い場合はいくつかに分割して、
喋りの進行とともに、順番に出していく必要があります。

5. 秘伝その5|テロップは読みやすく作るもの

「読みやすく」というのは、平易な文章ということだけではありません。
背景映像としっかり区別できる、色、書体、デザインにしましょう。
つまり少しばかりデザインセンスが必要です。
白・黒・赤・青などハッキリした文字色にして、
ぼんやりした中間色は使わない方が無難です。
書体としては「明朝体」は横線が見づらいので避けた方が無難です。

またひとつの動画で、画面によってテロップがまちまちだと見づらくなります。
素人くさい、安っぽい印象になります。
動画1本を通してテロップの色・書体・デザインは統一し、
強調したいところだけ「赤文字」などにするのが良いです。
動画全体をざっと見てから色・書体・デザインを決め、
すべてのテロップをそれで統一します。
また文字に影をつけたり、ベースに乗せると読みやすくなります。

6. 秘伝その6|テロップ装飾は要注意?

さてそのようなテロップの文字デザインや装飾は、
もちろん企業のブランドイメージやデザインルール、
トーンアンドマナーに則ったものである必要があります。

しかしですね。
正直なところ、ここのところは、残念なケースが多い。
総じて「上手にできていない」ことが多いのです。
それはなぜか?ズバリ「造り手が違う」からです。

企業のブランドイメージやデザインルールは、
主にアートディレクターやデザイナーが担当しますが、
動画制作だけは「別の専門業者」が担当することが多い。
テロップデザインに限らずですが、
動画だけは「別の世界」になってしまうことが多いのです。

グラフィックデザインと映像デザインの両方の知識を持ち、
両方をきちんとクオリティコントロールできる人材は、
実はあまり多くない、のが業界の現状です。

映像プロダクションの選定では、この点も審査対象にしたいですね。
ちなみに少々PRとなりますが、
「統合型クリエイティブエージェンシー」を標榜する弊社は、
動画づくりとともに、Web、紙媒体、SP広報媒体制作まで、
広範囲なプロダクション機能を有する総合エージェントです。
常にブランディングやCIを大切にするマインドが、
DNAに刻み込まれております。

7. まとめ

いかがでしたか?
テロップの正しい入れ方講座。
前回のBlog記事「動画とは聴かせるもの、読ませるもの。」からの連続記事となりましたが、

「それをナニかと尋ねたら…..」
「ア〜〜ア、テロップ、テロップ、テロップ!」
「バンザーイ!(失敬….)」

それはさておき、この記事をお読みになって、
テロップそのものを見直して頂けたら幸いです。
TV番組や企業動画を見るときも、
ちょっと意識してみると、新たな発見がいろいろあるはずですよ。
と共に、業者選定にはくれぐれもご留意あれ。

joe